ゴダールの「宣言」
十月革命から五十年後の今日、アメリカ映画が世界中の映画を支配している。こ事態に対してつけ加えて言うべきことは大してない。ただし、次のことは言っておかなければあらない。それは、われわれもまた、自分たちのささやかなレベルにおいて、ハリウッド=チネチッタ=モスフィルム=パインウッド等々の巨大な帝国のまっただなかに二つないし三つのベトナムをつくり出さなければならない、そして経済的にも美学的にも、つまり二つの戦線に立って闘いながら、国民的で自由で、兄弟であり、同志であり友であるような映画をつくり出さなければならないということである。
1967年「中国女」のプレスブックより